國弘正雄 音読

中学の英語の教科書と一口に言っても、習熟度という物差しを当ててみれば、そこにはかなりの違いがあるのです。
今の学校教育で一応よしとされている程度では、とてもじゃないが使いものにはなりません。
基礎としての役割を果たせないのです。おそらく、飛躍も発展もないでしょう。

英語を習得することに漠然とあこがれはするが、これといった成果を上げられない人というのは、基本技術の習得に関して、見通しが甘すぎるのです。




ご存知の方も多いと思いますが、故・國弘正雄氏は「同時通訳の神様」と呼ばれています。

そして「神様」と呼ばれるほどの達人が一体どんな方法で英語を身につけたのかというと、拍子抜けするくらいシンプルな学習法…音読です。

そしてここで紹介する國弘流英語の話しかたは通訳の神様・國弘正雄の名著で、具体的な勉強法を教授してくれるだけでなく、読者のモチベーションを高め、やる気を奮い立たせてくれるエネルギーをもっています。

将来 語学の道に進みたいという人や、学校や仕事の都合上どうしても語学を勉強しなければいけないという人におすすめです。

「同時通訳の神様」國弘正雄氏の只管朗読(ひたすらろうどく)


國弘流英語学習の肝は「只管朗読」(ひたすらろうどく)です。

ここでいう只管朗読とは、英文の音読のことで、意味を完璧に理解した英文を、何度も何度も繰り返し音読するのです。「意味を完璧に理解した英文を」というところがポイントで、理解のあいまいな難しい英文を音読しても、身につくものはそれほど多くありません。

そして國弘氏がすすめるのは 中学校の教科書をひたすら音読すること。

中学校の教科書というといくらなんでもレベルが低すぎないかと感じるかもしれませんが、実際には中学英語に穴がある人は非常に多いということです。そして中学英語を完璧にマスターすれば、想像以上に高いレベルにまで到達することが可能であると。

中学のテキストを文法的に完全に理解し、単語の意味もすべて明らかにし、そのうえで音読をするのです。具体的に何回読めばいいのかというと、最低でも100回。國弘氏は500回は音読したといいます。

少なくとも内容を暗唱できるようになるまでは繰り返し音読することで、驚くほどの力がつきます。




 

英文法も英作文もスピーキングにもリスニングにも只管朗読が効果的


國弘正雄 音読
本書はこの只管朗読をベースとして、スピーキングやリスニング、英文法、英作文についても解説されていますが、これらの分野についても、やはり只管朗読が効果的だとされます。

例えば英文法。教科書の文法を理解してテストの文法問題が解けるようになっても、その文法を駆使してしゃべったり書いたりすることはできないという人がほとんどではないでしょうか?

國弘氏によると、それは文法の理解が足りないのではなく、訓練が足りないために起こる状態です。文法書を一通り理解しただけでは、実践で文法を使い倒すことはできません。

ではどうしたらいいのか?というと、理解した文法書を繰り返し音読することで身体にしみ込ませる段階が必要なのです。これによって、ただ知っているだけの知識が、実践で使える知識へと変貌するというわけです。そして、学校でつめこんだ知識を、一段上の実践的なものに変化させる、そのための鍵が只管朗読(ひたすらろうどく)です。

さらに興味深いのは、國弘氏が学校教育を強く否定しなかったという点です。

この手の達人には、学校教育の無意味さを説く人が多いイメージはありませんか?國弘氏はそういうところはなくて、学校の英語教育に問題があるのではなく、足りないのは学校で得た知識を深める訓練であるとしています。

なるほど、そうかもしれませんね。そして日本人は英語を使えない(話せない)まま、世界はどんどんグローバル化していった・・・日本の英語教育はそんな世界の流れから取り残され、その結果が2020年の大学入試改革です。

大学入試改革の英語新テスト導入!2020年大学入試はどう変わる?




大学入試改革のそもそもの始まりは「日本の英語教育をどげんかせんといかん!」という認識から始まっていますから、大改革はある意味当然の着地点だとは思いますが、うちの息子君も含めた高1生以下の子ども達(あるいは浪人生達)には大変な問題です。

しかも、もうすぐ目の前…2年後ですよ~(汗)

それはさておき「國弘流英語の話しかた」は英語学習者の英語熱を奮い立たせる力を持つバイブル的良書です。

内容の要約だけではその力は伝わらないので、本書は残念ながら絶版ではありますが、もし機会があったら ぜひ読んでみてください。