思春期以降に記憶のメカニズムが変わる


記憶力を鍛える
思春期になると、著しく変化するのは体や心だけではありません。

実は記憶のメカニズムまで変化が起こります。

記憶には 年齢に見合った方法がありますが、それを考えないで、ただやみくもにがんばっても うまくいかないのは自明の理。

脳科学が専門の諏訪東京理科大学・篠原菊紀教授にズバリ聞いてみた。
大人になっても、頭は良くなりますか?

「もちろん、イエス! 年をとったほうが断然、頭は良くなる」

うれしいことに、篠原教授の答えはため息も吹き飛ぶほどに明快だった。

篠原教授によると、頭の良さには大きく「流動性知能」と「結晶性知能」があるという。

流動性知能とは、計算力や暗記力、集中力、IQ(知能指数)など、いわゆる受験テクニックに反映されるような知能のこと。

この知能は18~25歳くらいがピークで、その後は徐々に落ちていき、40代以降になるとガクンと低下する。

一方、結晶性知能は知識や知恵、経験知、判断力など、経験とともに蓄積される知能のこと。

こちらは年齢とともにどんどん伸びて、60代頃にピークを迎える。

記憶力を鍛える

 
 

子どもがスラスラ暗記をやってのける理由


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子どもって、丸暗記が得意ですよね。

覚えるのは大変な作業としても、繰り返すことで、割とスラスラ暗記ができるものです。

が、大人はそうはいきませんし、年齢を重ねれば重ねるほど、それは顕著です。

なぜなら、年々、流動性知能が低下するから。

この流動性知能の低下が現われはじめるのが思春期以降です。

思春期を過ぎた頃から流動性知能が低下し始め、結晶性知能が優勢になってくるものなので、テスト勉強の丸暗記がどんどん苦手になっていくものです。

覚えられなくなるのは、記憶力が低下したからではないのです。

もう少しわかりやすく言うと 中学生の頃までは「意味記憶」の能力が高いということです。

意味記憶は「知識」の記憶。

意味記憶の能力が高いうちは、脳が丸暗記もしやすい状態にあるので 丸暗記で試験に臨むような無謀な作戦でも何とかなってしまうんです。

が! 脳は成長するにつれ「意味記憶」の能力が劣勢になっていきます。

逆に優勢になってくるのが「エピソード記憶」です。

エピソード記憶とは 個人の思い出や経験に関連した記憶です。

エピソード記憶が優勢になってくると、丸ごと暗記しづらくなってくるので「記憶力が落ちた」と思い込む人が増えるわけです。

でもそれ、記憶力が低下したのではなくて、単に記憶の種類が変わっただけの話。

この事実を知らないから「記憶力が落ちた」→「アタマが悪くなった」→「物忘れがひどい」とか決めつけてしまう。

そうじゃないです。

加齢と共に、脳の使い方を変えていかなければダメってことなんです。
 
 
 
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生涯、記憶力を上げ続けるにはやり方を変える


記憶力を鍛える
記憶力を上げ続けるには 勉強法を変えること。

丸暗記から、論理の記憶にシフトしていくことが大切です。

物事をそのまんま覚えようとすることをやめること。

それらをよく理解しつつ、その理屈を覚えるのが論理の記憶です。

加齢とともに、物事を理解した時にだけ、脳はそれをしっかり記憶するようになります。

なので、記憶するやり方自体を切り替えるに限ります。

法則性をつかんで、理解して、それから記憶していく。

この3ステップを踏んで覚えるのがいちばん効率的です。

加齢と共にエピソード記憶が優勢になってくるのですから、覚えることを自分の経験に結び付けて記憶していくのが 実は最強の記憶法です。

脳の記憶力のしくみが変わる時期は個人差がありますが それが思春期の中・高校生であっても、社会人であっても、その年齢に見合った記憶の仕方を選ぶことは共通です。

ただしこれには、10代の子どもたちであれば、一部例外もあります。

実はIQの高い人ほど この発達に遅れが出る傾向があるということです。

つまり IQが高いほど 丸暗記できる期間が普通の人よりも長くなるということ。

そうなると、テストや受験競争に勝てる確率が高くなりますから、その分、試験には有利です。

確かにそういう恵まれた資質を持つ一部の人もいますけれども IQが並みの凡人であれば、方法論を工夫して対抗していくしかないですね。
 

中学生以降は丸暗記は通用しなくなると思ったほうがいい


記憶力を鍛える
うちの息子君は中1の冬休みに百人一首100首の暗唱を完了しましたが、この時にエピソード記憶も取り入れました。

百人一首の覚え方で語呂合わせは使わず おけいこ帖で地道に行く作戦




時間をかけて 苦労して100首を覚えていましたから、彼の脳力は完全に凡人レベルで、決してIQは高くありません。

しかも年齢的にもそろそろ丸暗記が苦手になっていく頃ですから、100首覚えるのにかなり苦戦していました。
 
 

「英語は教科書を丸暗記すればテストはいける」という人がいますが、それが通用するのは高校入試くらいまででしょう。

理詰め(論理)を駆使する練習をしておかないと 大学入試では苦戦を強いられると思います。

従来の大学入試では丸暗記の詰め込み勉強が通用しましたが、2020年度以降の新大学入試テストからは そのやり方では確実に通用しなくなります。

大学入試改革2020年!何がどう変わるのか?3つのポイント




ですから丸暗記に頼る記憶法は、中学生以降にはやめた方が賢明です。

使い物にならないことが多いのなら、やるだけムダ。

さらにテストとは無縁な大人の皆さんは 認知症予防は脳の使い方次第でもあると心得ておいた方がいいです。

認知症予防=認知症予備脳を高めることです。

脳は死ぬまで進化する!脳外科医田澤俊明氏がすすめる健脳生活




年齢とともに脳細胞自体の数は減っていきますが、頭を使えば使うほど、 つまり結晶性知能が伸びれば伸びるほど、脳細胞の分枝が増えて ネットワークが密になります。

つまり脳細胞同士が手をつないで連動して動き出すということです。

しかも、このネットワークはドーパミンが増えるほどつながりやすくなるため、やる気や面白さを感じながら頭を使うと、効率よく頭が良くなっていきます。