読書感想文の本おすすめ【中学生 高校生が読みやすい作品はこれ!】

日記

読書感想文の本中学生おすすめ

ここでは読書感想文おすすめ本の紹介が中心ですが、中には「これは名作だから(またはおもしろいから)ぜひ読んでみて!」という作品も含まれています。
 
 
 

i・・・西加奈子

主人公の「アイ」が数学の授業で「iは存在しない」と言われるところから始まる本作は、数学の虚数の話を 自身の名前である「アイ」に重ねてしまいます。

そもそも主人公であるアイはシリアで生まれたため、育ててくれた両親とは血縁関係にありません。そこから自分の存在意義や生死に対して真摯に向き合い始めたアイの苦しみや葛藤をリアルに描ききったのがこの本作です。

描かれているのは20年余りの短い人生の一コマに過ぎませんが、きっと年齢が近いからこそ感じる何かがこの作品にはあるはずです。

生きるとはなにか。自分を存在せしめるものはなにか。世界で起きている不幸と自分を分かつものはなにか。出ない答えを追い続ける主人公のアイに、きっと自分を重ねるはずです。

[voice icon=”https://www.channel-orange.com/wp-content/uploads/2018/05/6cf5dc9f8d8ce7d0e4f67a6a1ca46938.png” name=”” type=”l”]西加奈子さんと言えば『サラバ!』がお馴染みですが、今回おすすめする『i』は中高生が読むにふさわしい内容となっています。

なにか大きな出来事があるわけでもなく淡々と進む『i』にまったく面白さを見いだせなかった私は、気がつくと読み終えていました。

読み終えてわかったのは、西加奈子さんの作品はすっと身体に馴染んでいく心地よさがあるということです。

そしてそれは、時として自分の黒い部分を深く抉ります。

『i』を読み、ただ当たり前に存在している自分に疑問を持つことの怖さを感じました。

なぜならそれは、自分が納得しない限り 答えなどないからです。

最後にアイは自分の存在意義について 答えを見つけます。

今の中高生を見ていると、その時その時を楽しむ彼らの姿に 大人は何も考えていないと思いがちです。

しかし、きっと彼らは彼らなりに悩み苦しみ自分の心の中にある何かと戦っているのだと思います。

そんな中高生の答えになる作品です。[/voice]  
 

星の王子様・・・アントアーヌ・ド・サン・テグジュペリ

砂漠の真っただ中に不時着した飛行士の「僕」と 目の前にあらわれた金髪の少年との会話を描く作品。少年は自らの星を捨てた理由は「一輪のバラ」であり、今ここにいることを告げ、物語は展開されます。

本当に大切なことは目に見えない。あなたの心が既に知っているのかもしれないけれども、既に知っているからこそあなたにとって当たり前な存在。当然のように存在するものだからこそ、気づきにくいものなのかもしれない。

金髪の少年と、ただただ耳を傾けている飛行士の「僕」との会話によって それが表現されています。

「私が大切にしたいことは?」「私が欲しているものは?」多様な人々で溢れかえる社会から私を見つめる心あたたまるストーリーです。

[voice icon=”https://www.channel-orange.com/wp-content/uploads/2018/05/6cf5dc9f8d8ce7d0e4f67a6a1ca46938.png” name=”” type=”l”]大人のための一冊であり、中・高校生の時期から読んでおきたい一冊でもあり、私はサンテグジュペリの「星の王子さま」を毎年1度は読み返したくなります。

大切なことほど目に見えず、多くの人たちとの出会いによってそれに気づかされ、また、多くの人たちとの出会いからから影響を受け、様々な出会いによって内在する精神性に気づきます。

それは多様な人々であふれている社会であり、人生100年を通じて出会うであろう溺れがちな精神性。

ただ一読するだけでも良し、言葉の背景を想像し、咀嚼・吟味し、理解を心掛けることでも良し。

中・高校生という多感な時期だからこそおすすめであり、「本当に大切なものとは?」と自問自答でき、何度も読み返すことで心が成長する1冊です。[/voice]  
 

勇気ある人々・・・ジョン・フィッツジェラルド・ケネディ

アメリカ合衆国第35代大統領、John F. Kennedyの伝記。

国が民衆のために何をしてくれるかとのではなく 人民一人一人が国に対して何をするべきか何ができるかということを説いたケネディ大統領の名言や考え方を紹介しています。

キューバ危機やアメリカの奴隷制度、差別問題と向き合い それをどう解決していくか?1960年代のアメリカの大きな問題を大統領としてどういう視点で捉え考えて言っているかを書いた著書です。

[voice icon=”https://www.channel-orange.com/wp-content/uploads/2018/05/6cf5dc9f8d8ce7d0e4f67a6a1ca46938.png” name=”” type=”l”]アメリカの英雄と呼ばれ、これから世界を変えていくであろうと期待されていた大統領が 実際に何をどう思っていたのか?

未来に対して何をなすべきかを当時のアメリカ人だけではなく、世界の若者にメッセージとして残した、今の若者にも読んでもらいたい一冊です。

小学生の時に学校の図書室でこの本のタイトルに魅せられて借り、自宅に持ち帰って両親に見せたところ誉められて「あなたも将来アメリカで仕事ができるようになれたらいいね」と言われました。

アメリカとは何か?アメリカ人とは何か?アメリカ人の考え方とは何か?

その基本的なことを教えてくれたのがこの本で、「自由の国アメリカ」に自分も仕事で行きたいと小学生ながらに思うほど感銘を受けました。[/voice]

竜馬がゆく・・・司馬遼太郎

司馬遼太郎が比較的初期に執筆した、長編時代小説です。タイトルにある通り、土佐藩出身の坂本竜馬を主人公に、幕末維新に数多登場した維新志士達の活躍と歴史のうねりが描かれています。現在、世間が持つ「坂本竜馬」の自由で型にとらわれないのびやかなイメージは、この作品によって定着したと言われています。

徳川幕府の力が衰え、黒船により外国からの脅威にさらされた幕末の日本で、土佐藩の身分の高くない武士として成長した坂本竜馬は、勉強ができず どこかぼんやりとした青年でしたが、剣術の腕を見込まれて江戸へ修行に出ます。

長州藩の桂小五郎、幕府の勝海舟、薩摩藩の西郷吉之助などと出会い、時代の流れの中で、ただの剣客から 世界の中で日本と日本人を守る事を考える、人間「坂本竜馬」へと成長していきます。

薩長同盟、維新成立へと、奔走する竜馬のスピード感のある短い青春が鮮やかに浮かび上がる作品です。

[voice icon=”https://www.channel-orange.com/wp-content/uploads/2018/05/6cf5dc9f8d8ce7d0e4f67a6a1ca46938.png” name=”” type=”l”]幕末の日本史と歴史上の人物を、物語の中で整理しながら学ぶことができるので、歴史の教材としての魅力があります。

また、竜馬が十代後半の時から生涯を終えるまでが描かれているので、青春小説として高校生が読むのに合っています。

グローバル化が進んでいる昨今だからこそ、「日本」という意識のなかった時代に、世界の中の日本という思想を持った竜馬を知ることは意味があります。

無知で何者でもなかった竜馬が、周囲と関わり様々な教えを吸収しながら自分の考えを確立して周囲の人を動かす活躍をする様子は、高校生が将来を考えるうえで役に立ちます。

人を動かすことができる人物の魅力とは何か、情報をどのように入手してどう使うのかなど、多くの事を考えてほしい作品です。[/voice]

カラフル・・・森絵都

生前の罪によって、死んでしまった後の輪廻のサイクルから外された「ぼく」こと主人公は、ひょんなことから人生をやり直すのチャンスを手に入れることになります。ガイドの天使・プラプラの説明によると、その方法は、三日前に自殺を図った中学三年生の少年・小林真の体に「ホームステイ」しながら、自分の罪を思い出すこと。

利己的な父親、不倫する母親、意地悪な兄、変なチビ女だけが話しかけてくるだけの交友関係、美術室通いの日常。モノクロームのイメージを抱く様な、決して明るいわけではなかっただろう小林真のたくさんの問題を抱えた生活を過ごしていく中で 「ぼく」はやがて接する人々の中に欠点や美点を見出し、色付いていく世界を過ごしていきます。

[voice icon=”https://www.channel-orange.com/wp-content/uploads/2018/05/6cf5dc9f8d8ce7d0e4f67a6a1ca46938.png” name=”” type=”l”]主人公である「ぼく」の一人称視点で進む物語ですが、主人公の一挙一動に、どこにでもいる普通の男の子の感性を感じます。

それだけに、自分の気持ちを重ねやすいのが魅力です。

コミカルなきっかけは特別でも、巡り合う出来事に向かい合う主人公の心情に「自分だったらどうしよう」と共感し、共に悩み、考えることができます。

難しい言葉が多様されることもないのでテンポよく読み進められるので飽きもこず、読後のすっきりとした感動も含めて、面白い本だったと感想を書き出しやすい一冊です。[/voice]

キッチン・・・吉本ばなな

唯一の肉親である祖母を亡くして天涯孤独となった大学生のみかげが、祖母がよく利用していた花屋でアルバイトをしていた同じ大学の学生である田辺雄一とその母の住む家に同居することになることから始まる「キッチン」を収録した短編集。

みかげは風変わりな親子と共に生活する中で、二人の何気ない優しさに触れたり、かつてのボーイフレンドとの再会を経て、愛する祖母の死と自身の孤独を受け入れ、心を再生していく物語です。

[voice icon=”https://www.channel-orange.com/wp-content/uploads/2018/05/6cf5dc9f8d8ce7d0e4f67a6a1ca46938.png” name=”” type=”l”]「満月 キッチン2」では田辺家から独立したみかげが、今度は逆に 愛する肉親を失った立場になった雄一を癒す物語となっています。

この短編集に収録された「ムーンライトシャドウ」では、前2作と直接的な物語の関連はないものの、愛する人を失い 残された人間の再生の物語が描かれています。

主人公であるみかげの置かれた環境は、雄一との出会いも含め 少々特殊であるにもかかわらず、登場人物達の吐露する心情や細かい描写には、砕けた口語を交えた文体も相まって 親近感を抱けます。

1988年当時の風景描写は今どきの中・高校生には少々古く感じるかもしれませんが、時代を経ても変わらない喪失感や孤独、そしてそれを癒す周りの人々の支えや優しさには素直に感動できます。成長の過程で自身を取り巻く環境が大きく変化していく年代だからこそ、深く感じ入るものに出会える一冊です。[/voice]

 

望郷・・・湊かなえ

白綱島という小さな孤島を舞台に、島で暮らす人々や島から都会に出て行った人々の人間関係と、そこから生まれる謎や神秘に満ちたドラマを描いた作品です。この本は6つの短編で構成されており、それぞれ全く違う立場の主人公が 島の人たちとの不思議な縁に巻き込まれていきます。

日本推理作家協会賞を受賞した表題作「海の星」では、母子家庭で育った主人公が、子供の時に母と親しくなった「おっさん」との思い出を大人になってから振り返り、「おっさん」が胸に秘めた秘密を知り はじめて彼に思慕の思いを抱きます。

この本に出てくる全ての人々にとって 故郷の白綱島は特別な存在であり、同時に複雑な愛憎の感情を呼び起こす象徴的な土地でもあるのです。自分の故郷についても考えさせられる一冊です。

[voice icon=”https://www.channel-orange.com/wp-content/uploads/2018/05/6cf5dc9f8d8ce7d0e4f67a6a1ca46938.png” name=”” type=”l”]この本は一人称で書かれていますが、登場人物の仕草やセリフがとてもリアルで 全ての登場人物の意図が手にとるようにわかります。

対立する人間関係であっても「自分はこっちの味方」というだけでなく「どちらの考え方にも一理ある」と考えることができます。

この本を読むと 人にはそれぞれの立場があり、育った環境があり 埋められない誤解もありますが、それなりに折り合いをつけて生きていることがわかります。

人間関係に悩む思春期の中・高校生に読んでほしい一冊です。[/voice]

星を継ぐもの…ジェイムズ・P・ホーガン

ハードSFなので読書感想文には…と思わなくもないのですが、名作なのでご紹介^^
 
月面で発見された5万年前の遺跡には、人類そっくりの異星人が埋められていました。遺伝子レベルまで人類にそっくりでそれは「ルナリアン」と呼ばれましたが、その正体はわからないまま。

様々な調査の結果、ルナリアンは木星と火星の間の軌道にある未知の惑星から来てはるばる月に着陸していたことや 核戦争によりその惑星が破壊された小惑星帯が生まれたこと、ルナリアンと人類が似ているのは、その当時そこにいた優れた種族のガニメアンが 人類の祖先を運び、そこで進化したため・・・などが明らかになっていきます。

ルナリアンは戦争で絶滅したと予想されたものの、実際には少し違っていて・・・

[voice icon=”https://www.channel-orange.com/wp-content/uploads/2018/05/6cf5dc9f8d8ce7d0e4f67a6a1ca46938.png” name=”” type=”l”]これはSFであって、現実に起きたこととは違いますが、この本を読んでいくと、何となく人類の進化がこんな風に起きたのではないか。

過去に何かが干渉して人類が生まれてきたのでは・・・そんなことを想像してしまいます。

ここに出てくる特殊な装置は、現在の技術ではまだ開発されていませんが あったら面白くなりそうだし、ルナリアンが現実に現れたとしても面白い、そんな気になります。

そして最後まで読むと、星を継ぐものの意味がはっきりとわかり、そこで感動するのは間違いありません。[/voice]

考えるヒント…小林秀雄

戦後日本を代表する文芸批評家、小林秀雄のエッセイ集です。内容は多岐にわたり、プラトン、井伏鱒二、漫画、良心、歴史、言葉、役者、ヒトラー、平家物語、福沢諭吉、人形、お月見、踊り、スランプ、さくら、批評、青年と老人、お花見、ソヴィエト旅行などが収録されています。それぞれが10ページ前後の短編なので、気楽に読むことができる本です。

[voice icon=”https://www.channel-orange.com/wp-content/uploads/2018/05/6cf5dc9f8d8ce7d0e4f67a6a1ca46938.png” name=”” type=”l”]小林秀雄というと難解な文体で書かれた批評文が有名ですが、本書に収められた後期のエッセイはわかりやすく平易な文章です。

知性中心主義的な態度を批判し、常識へと回帰する姿勢が本書全体を貫いています。

それでも内容は決して温くならず、どのエッセイにも小林の鋭敏な知性が発揮されています。

エッセイ集とはいわば感想文のようなものなので、本書を読みながら同時に感想文の書き方も学ぶことができます。

内容は多岐にわたるので、なにかしら自分に引っかかるエッセイが見つかるでしょう。

本書全体の感想を漠然と書くよりは、その引っかかったポイントを膨らませていくといい文章になると思います。

考えるヒントというタイトル通り、小林のエッセイは平易ながらも内容は深く、鋭い着眼点で読者の思考を促し、視野を広げてくれます。[/voice]  

一瞬の風になれ・・・佐藤多佳子

主人公の新二は高校入学まではサッカーに打ち込んでいたものの、兄の健一の天才的なサッカーセンスと自分の才能を比較し、高校では親友である連とともに陸上部に入ることを選択しました。親友の連は中学時代から短距離では才能を見せつけてきた選手で、強豪校からの誘いも多くありましたが、陸上に対する情熱はそれほどないという、少し独特な選手です。

新二は陸上の初心者でしたが、サッカーで培ってきた瞬発力にはすこし自信があり、連と同じスプリンターとしての道を歩むことになります。初心者の新二が徐々に力をつけていくうちに、それに刺激を受ける形で連もスプリンターとしての才能を開花させていきます。

ふたりの共通の目標は4×100メートルでのインターハイ出場で、インターハイ予選4×100でクライマックスを迎えます。

[voice icon=”https://www.channel-orange.com/wp-content/uploads/2018/05/6cf5dc9f8d8ce7d0e4f67a6a1ca46938.png” name=”” type=”l”]イチニツイテ、ヨウイ、ドンと3部作からなる長編の小説ですが、スピード感のある展開で 長さが気にならないほど一気に読めてしまいます。

舞台も高校陸上部という事で、中高生の皆さんには自分の部活動と比べながら読み進めることができるのではいないかと思います。

陸上をあまりよく知らない人も 主人公の新二が初心者として入部して、スプリンターとして成長していく過程を部活でのトレーニング方法などを通してわかりやすく解説しているので、ともに陸上をしている気分にもなれるのではないでしょうか。

あまり難しいことを考えずに素直に読み進めることができ、最後にはさわやかな気分になれる作品です。[/voice]  
 

 

 
 

夜のピクニック・・・恩田陸

主人公は、高校3年生の甲田貴子。貴子の通う高校では、「夜行祭」という全校全校生徒が参加する行事が毎年開催されています。

貴子にとっては、高校生活最後の行事。もちろん同級生の友達も最後のイベントとなり、クラスメイトもそれぞれの思いをこめてこの行事に参加します。
それは、夜を徹して全校生徒が80Kmを歩き続けるという「北高」伝統行事。

貴子は、この行事をむかえるにあたり、一つの決意をもって参加します。それは、同級生である西脇融に対して声をかけて会話を交わすこと。
そしてそれを通して、今まで誰にも言えなかった秘密を清算することでした。

一緒に歩くクラスメイトと高校生活の思い出を語りあいながら 西脇融との距離を縮めて行く貴子。特に恋心を抱いての行動ではないけど、それがかえってクラスメートの誤解をさそい・・

[voice icon=”https://www.channel-orange.com/wp-content/uploads/2018/05/6cf5dc9f8d8ce7d0e4f67a6a1ca46938.png” name=”” type=”l”]ほろ苦い青春の1ページ、そして忘れられない場面場面が積み重なり、不思議と共感できる素晴らしい作品です。

作者は、女流作家・恩田睦さんで、この作品で2005年第2回本屋大賞を受賞しています。

作品は、著者の母校である、茨城県立水戸第一高等学校の行事である「歩く会」をモデルにしています。

自分の実体験の中から書きあげた小説なので、共感を呼ぶ世界も多いのかもしれません。

夜行際という数時間の短い時間の中での4出来事を連載という形で見事に積み上げていく著者の力量が感じられ、読み応えのある作品です。[/voice]

海賊とよばれた男・・・百田尚樹

第2次世界大戦終了後進むべき道を見失って途方にくれる、日本人に希望を勇気をあたえた一人の日本人の生き様を小説化した作品です。

国岡商店の国岡鐡造は戦前から石油関連会社を経営していましたが、敗戦のため商売の継続もままならず、社員を雇っていくこともままならない状況に落ちる状態でした。わずかに残った社員は失意のどん底に陥っていましたが、国岡はそんな社員の前で、叱咤激励の訓示を行います。

「三千年の歴史を誇る日本人としての誇りを失わぬように」「一人の社員の馘首もならん!」と。

[voice icon=”https://www.channel-orange.com/wp-content/uploads/2018/05/6cf5dc9f8d8ce7d0e4f67a6a1ca46938.png” name=”” type=”l”]すでに初老の域に達した国岡であるが、社員とともに、奔走し国岡商店と日本国の復興に心血を注ぐ歴史小説です。

あきらめない心、希望、勇気、信頼そして自信がみなぎる小説で、これからどう生きようと夢をふくらませている中学生には、多くの共感を与えられる作品です。

出光興産創業者の出光佐三をモデルとした小説で、国岡商店が日本の復興の石づえを築き 大企業への路を歩む姿を描いています。

百田尚樹さんが第10回本屋賞を受賞した作品です。

実在する主人公その生きざまを通して いかにして出光興産ができたかが描かれており、その時代を生き抜き、どんな状態になってもあきらめないぶれない熱い男たちが、この国を作ってきたということが垣間見られる作品です。

1章~4章そして最後の終章の構成となっており、それぞれ読み応えあり、学ぶことあり。

時間を忘れてよみふけってしまいます。[/voice]  

 
 

山月記・・・中島敦

唐、科挙試験に合格すれば官吏となり出世の道も拓かれる時代。この科挙試験に合格した李徴は秀才ではあるものの大層な自信家で、下級官吏に甘んじるのが嫌で 詩人として名声を得ようとします。

その後 経済的に立ち行かなくなった李徴は河南地方に赴いた折に行方知れずになり、この小説のもう一人の登場人物、旧友の袁傪と再会します。

この時、人食い虎となった李徴は古い友人に襲いかかろうとしましたが、すぐに襲うのを止め、茂みの中に姿を隠したまま 身の上話を始めました。人の意識よりも虎の意識が強くなっていることを話し、自身の身の内にある自尊心や羞恥心が招いたのだと語った後、自分が創った詩を袁傪に記録してくれるよう託して別れを告げます。

[voice icon=”https://www.channel-orange.com/wp-content/uploads/2018/05/6cf5dc9f8d8ce7d0e4f67a6a1ca46938.png” name=”” type=”l”]なぜ虎になったのか、李徴が小説の中で語ってはいても 納得のいかない思いで読んでいました。

人のまま人を食らう虎のような人間と、人食い虎となって人を襲う李徴と どちらがより恐ろしいのだろう。

李徴は本当に人食い虎となるような人間なのだろうか・・・初めて読んだ学生時分、深く考えてしまいました。

中国の文化や漢学・習慣が好きな方には 本書は楽しく読めるのではないかと思います。

短くはありますが、どっしりと重みのある作品であり、成長してから再読すると、また違う発見があります。

月に向かって咆哮する一頭の虎が、美しくも寂しく思えてなりませんでした。[/voice]

青い鳥・・・重松清

村内先生は中学校の国語教師をしていますが、吃音という症状があり、言葉をうまく喋れません。自分の名前すらもうまく発音できない先生ですが、様々な事情を持つ生徒たちに寄り添います。

物語は全て短編となっていますが、各話に村内先生と様々な問題を抱えている生徒が登場し、村内先生が生徒一人一人に大切なことを教えてくれます。

場面緘黙症を持つ生徒、担任の先生を刺した生徒、父親が交通事故に合った生徒、クラスのいじめに加わった生徒、クラスを仕切る生徒、父親が自殺した生徒、付属中学に通ったものの将来に不安を持つ生徒、両親の離婚や里親先での虐待にあった生徒・・・。

この作品は2008年に映画化され、村内先生役は阿部寛さんが務めています。

[voice icon=”https://www.channel-orange.com/wp-content/uploads/2018/05/6cf5dc9f8d8ce7d0e4f67a6a1ca46938.png” name=”” type=”l”]私は本書を20代後半で読みましたが、読み終わった後に「学生の頃に読んでいれば何かが違ったかもしれない。」と思いました。

実際に学生である時に、いじめの問題などを取り上げている小説などを読むべき・・・特にいじめに加担したことがある人や現在加担しているという人は これを読んだらきっと今の気持ちが変わると思うからです。

私は村内先生のような先生と出会っていたら 先生をどのように見ていたのか、もし自分がいじめに加担していたらどうすることができたのかを深く考えさせられました。[/voice]

今夜は眠れない・・・宮部みゆき

僕は日本のどこにでもいるようなごくごく平凡な家庭の中学一年生。しかしそんな僕の家はある事件に巻き込まれてしまう。

20年前にとあるけが人を助けたことがきっかけで、”僕”の母さんに5億円もの遺産が遺贈された。いくら命の恩人とはいえ、そんな過去の事、ましてや5億円もの大金を贈ったのはなぜなのか。メディアでの報道をきっかけに日々は一変、脅迫電話のいやがらせ、赤の他人にそんなに遺贈しないはずと不倫を勘ぐる父さんが家出までしてしまう…

もう一度母さんと父さんに仲良くしてもらうため、またこの不可解な大金の遺贈に挑むため、大親友の頭が切れる島崎と僕はこの謎に挑みかかる事となる。しかしそこには一筋縄ではいかない真実が隠れていた・・・。

[voice icon=”https://www.channel-orange.com/wp-content/uploads/2018/05/6cf5dc9f8d8ce7d0e4f67a6a1ca46938.png” name=”” type=”l”]主人公が中学生という設定で、中学一年生の目を通してストーリーが展開されていくため、ミステリー小説が苦手な私でもとっつきやすく、理解しやすい作品でした。

ただ宮部みゆきさんの書く登場人物は地頭が良いので、中学生だと理解しにくい部分も多いかもしれません。

伏線などが綺麗に回収されていく様は 読んでいて気持ちが良いです。

普通の僕と、子供の皮を被った様な大人びた島崎とのタッグも抜群におもしろかったです。

高校生は勿論、大人が読んでも読みごたえのある小説だと思うのでおすすめです。[/voice]

風の向こうへ駆け抜けろ・・・古内一絵

芦原瑞穂(18歳)は地方競馬界にデビューした、数少ない女性騎手。
敬愛する亡き父親への思慕から競馬界に身を投じた。
だが、彼女の受け皿となったのは今にもつぶれそうな「藻屑の漂流先」と揶揄される寂れた弱小厩舎。そこにいる調教師、厩務員たちは皆それぞれが心に傷を抱え、人生をあきらめきったポンコツ集団だった。

弱小厩舎のため強い競走馬も持てず、さらなる嫌がらせを受け、困っていた矢先に出合った一頭の馬。
虐待により心身共にボロボロだったこの馬も懸命な介護と歩み寄りにより、生まれ変わったかのような素晴らしい競走馬に変貌を遂げる。

当初は廃業寸前だった厩舎も、瑞穂の真摯な努力と純粋な心、情熱から、徐々に皆の心は一つとなり、ついには夢のまた夢である狭き門、中央競馬の桜花賞を目指すまでになる。が、その行く手には様々な試練が待ち受ける。温かな絆でつながった彼らの運命は…?

偏見、セクハラ、虐待、裏切り、老い…。様々な理由から心に傷を抱え、人生をあきらめかけている人間達の起死回生ストーリー。
人は何歳からでも成長できる、そして人生はやり直せる。
すべての方々に読んでいただきたい、人生への応援歌となる1冊です。

[voice icon=”https://www.channel-orange.com/wp-content/uploads/2018/05/6cf5dc9f8d8ce7d0e4f67a6a1ca46938.png” name=”” type=”l”]この本の内容は地方競馬を舞台にしたそこでの馬や人との熱い物語です。

著者が競馬が好きだからこそ描ける細かい競馬描写には 読んでいて非常に引き込まれていきます。

普通「競馬」といえばレースを中心に描くのが普通ですが、この本ではそこに行くまでの馬に関わっている調教師や 日常的に毎日365日馬の世話をしている厩務員さんにスポットが当てられています。

1人1人の過去に何があったかなど人間描写もしっかりと描かれていて 読んでいてもっと先知りたくなりますし また人間不信に陥った牝馬を描くなど なかなかそこまで描いている本はないかもしれません。

あまり数がいない女性騎手にもスポットを当てていて こういう世界もある・・・というのを教えてくれます。

最後に中央競馬のレースに臨むことになりますが、そのレースの描き方がまた素晴らしいので ぜひ読んでみてください。[/voice]

山椒大夫・高瀬舟・・・森鴎外

森鴎外の短編集から、表題になっている「高瀬舟」

京都の罪人が島流しになると、高瀬舟に載せられて大阪へ廻されることになり、そのときに護送を担当する同心と呼ばれる下級役人がいます。とある同心が出会った、弟を殺した罪で島流しになった男との会話が書かれた話です。

主人公となる同心は、その男を観察しているうちに、状況に反してとても静かで穏やかであることを不思議に思い、その理由を問います。そこから、だんだんに弟を殺すことになった経緯も聴くことになります。

何が起こったかを知った同心は、純粋にそのことについて疑問を抱き、考えます。

[voice icon=”https://www.channel-orange.com/wp-content/uploads/2018/05/6cf5dc9f8d8ce7d0e4f67a6a1ca46938.png” name=”” type=”l”]腑に落ちないものを感じたまま、話は終わり、文庫でたった34ページほどのほんの短い話ですが、深い問題提起になっています。

少し前の時代の話ではありますが、普遍的なテーマを扱った物語です。

むしろ、現代だからこそ安楽死の是非が問われるように思っていたので、そうではなかったんだということに驚きました。

世の中の不公平さや、どうにもできない流れや、そういうことに対して悔しさやもどかしさを感じたことがある人であれば、心に届くものがあるかと思います。

また、言葉の注釈などを見ながらでも、鴎外の文章を読むことができる瀬戸際にある世代だからこそ(自分も含め)読んでほしい、おすすめの本です。[/voice]

夏の庭…湯本香樹実

主人公の「僕」は小学6年生。ある日クラスメイトから祖母の葬儀へ出席した話をきかされる。そこからはじまった「死」への好奇心。そして夏休みのある日少年たちはと近所の老人と出会う。

一人で暮らしているおじいさんが亡くなるまで観察しようと思いつき、クラスメイトと3人で代わる代わるおじさんを見張ることにした。そして、ひょんなことからゴミ出しや洗濯の手伝いをすることになりときには庭の草むしりまでするはめに…。そんなことを繰り返すうちにおじいさんと少年たちの距離は次第に近くなっていった。

少年たちにとって「死」とはとても遠い存在で その時はまだ好奇心でしかなかった。結局最後におじいさんは「死」をむかえ、少年たちは望みどおり「死」に直面することになるが それは自分たちが想像していたものとは全く違い、心にぽっかり穴が空いたような気持ちにだったのだ・・・。

[voice icon=”https://www.channel-orange.com/wp-content/uploads/2018/05/6cf5dc9f8d8ce7d0e4f67a6a1ca46938.png” name=”” type=”l”]一人のおじいさんの「死」を乗り越えて成長したひと夏の少年とおじいさんの物語。
中学生の時に読んでから何度も読み返している大切な本で、命の大切さについて考えた最初の本でした。
大人になった今でも忘れられない一冊で、これからの若い世代にもぜひ読んで欲しいです。

SNSの普及により人を傷つけたり避難したりがずいぶんと簡単になってしまった現代で 自ら命を簡単に放り出してしまう方もぐんと増えています。若い頃から命と向き合って欲しいと思いますし、その一助になりそうな一冊です。[/voice]

ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙・・・ヨースタイン・ゴルデル

主人公はソフィーという名前の14歳の女の子。

ある日、ソフィーに1通の手紙が届きます。消印も差出人もないその手紙には、ただ『あなたはだれ?』とだけ書かれていました。

それからというもの、ソフィーのもとに哲学について書かれた手紙が送られてくるようになり、ソフィーは手紙に書かれた内容を、真剣に考えるようになります。その後ソフィーは、手紙の送り主であるアルベルトに出会い、直接哲学について学んでいきます。

この哲学講座と平行して、ソフィーはヒルデという女の子に関する不思議なメッセージを受け取っていました。

物語が進むにつれてソフィーの15歳の誕生日パーティーが近づき、ソフィーは自分の存在に関する重大な秘密に気づいてしまい・・・。

[voice icon=”https://www.channel-orange.com/wp-content/uploads/2018/05/6cf5dc9f8d8ce7d0e4f67a6a1ca46938.png” name=”” type=”l”]この本は物語ですが、哲学について分かりやすく解説した哲学書でもあります。物語は古代の哲学から順に、年代を追って解説されていきます。

哲学について解説されているとはいっても、小説としてしっかり成り立っているので、読み物としてとても面白いと思います。哲学者の名前や理論などは、学校の授業で聞いたことはあっても、内容まではきちんと理解していなかったので、とてもためになりました。

長い小説ではありますが、1つのセクションに1つの時代、もしくは1人の哲学者が紹介されているので、読みやすいです。[/voice]

ベルナのしっぽ・・・郡司ななえ

「郡司さん、ベルナです。黒のラブラドール種、メス、一歳六カ月、大型犬です」…27歳で失明した著者は、子育てをするため、犬嫌いを克服して盲導犬とパートナーを組む決意をする。

訓練所でのベルナとの出会いには、とまどいを隠せなかったが、タバコの火をおしつけられてもほえもせず逃げずにじっと我慢するベルナとの間に、やがて強く確かな絆が結ばれていく。

しかし、家族の大事な一員となったベルナとも、やがて別れの時が…。人間と犬という境を越えて育まれた感動の愛の物語。

[voice icon=”https://www.channel-orange.com/wp-content/uploads/2018/05/6cf5dc9f8d8ce7d0e4f67a6a1ca46938.png” name=”” type=”l”]子育ては目が見える健常者であっても簡単に出来ることではありません。だから盲導犬に助けてもらいながら子育てをするため、犬嫌いを克服しようとした郡司さんはとても強いと思います。

20代で目が見えなくなって、辛かったと思うのですが、絶対に諦めない郡司さんのその根性を見習いたいと思いました。

何度読んでもベルナと郡司さんの絆の深さに最後の方は涙が止まりません。この本を読んで、明日から強く生きて行こうと思いました。

盲導犬とはいえベルナは家族の一員であり良きパートナーなのです。もう少し盲導犬の認知度が上がればいいなと思います。私も郡司さんのようにベルナに、人間のパートナーとして働いてくれてありがとうと言いたい気持ちになりました。[/voice]

バッテリー…あさのあつこ

ピッチャーとしての自分の才能を強く信じ、ぜったいの自信をもつ原田巧。中学入学を前に引っ越した山間の町で、同じ年とは思えない大きな体のキャッチャー、永倉豪と出会う。二人なら「最高のバッテリー」になれる、そんな想いが巧の胸をゆさぶる。

誇り高き天才ピッチャーと、心を通わせようとするキャッチャー。大人をも動かす少年たちの物語!世代を超える大ベストセラー。

[voice icon=”https://www.channel-orange.com/wp-content/uploads/2018/05/6cf5dc9f8d8ce7d0e4f67a6a1ca46938.png” name=”” type=”l”]中学入学を目前に控えた春休み。主人公の原田巧は、父親の転勤を機に、岡山県の田舎、新田市に引っ越してきます。ここで、大柄なキャッチャー・永倉豪と出会い、物語は動き始めます。

巧は、ピッチャーとして、天才的な才能があるがゆえに、自分にも相手にもストイックなところがあります。そんな巧は、周りと衝突し、相手を傷つけ、自分も傷つける、そんなことがよくありました。巧は野球につけては天才ですが、こういう不器用なところがやっぱり中学生だなと思える点であり、私が中学生の時に巧に憧れるとともに、共感できた点です。

それに比べ、豪や巧の弟の青波は、巧と真逆です。純粋で、正直、とても素直な少年たちです。衝突しながらも、成長していく、ただのスポ根ものとは違った、青春小説です。巧と同年代の中学生はもちろん、大人にもおすすめです。[/voice]

武士道シックスティーン…誉田哲也

宮本武蔵を心の師とする剣道エリートの香織。3歳ではじめた剣道に朝から晩まで打ち込み、負けることが大嫌いな彼女は、中学最後の大会で無名選手の早苗と対戦する。

早苗に真正面からメンを決められ、負けてしまった香織。敗北の悔しさを片時も忘れられなくなってしまった。

日本舞踊をやめ、中学から剣道を始めた早苗は重心を下にした柔らかな動きでみるみる成長するが、楽しさを求め勝敗には固執しない「お気楽不動心」

相反する二人が同じ高校に進学し、剣道部で再会を果たすが…。

青春を剣道にかける女子二人の傑作エンターテインメント。2010年に成海璃子と北乃きい主演で映画化された人気の「武士道シリーズ」第一巻。

僕はいかにして指揮者になったのか…佐渡裕

「大人になったらベルリン・フィルの指揮者になる」小学校の卒業文集に書いた夢を、佐渡裕はついに現実のものとする。

指揮者としての正式な教育を受けていない自称「音楽界の雑草」が、なぜ巨匠バーンスタインに可愛がられることになったのか。

「ライフ・キャン・ビー・ビューティフルや! 」という師の言葉を胸に、世界中の名門オーケストラで指揮棒を振る男の人生讃歌。

 

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